NA8C Sr.2を8ビットECUで動かす変換コネクタ製作

16ビットのECUを外し、8ビットECU(BPF3-881、881B)で動かす方法を紹介します。

Sr.2は皆さんもご存知の通り、ECUは16ビットですので簡単に燃調や点火時期を触れません。
ROMをいじるには、前記したフリーダムのようなフルコンか、8ビットECUで動かすかどちらかです。

初めはフリーダムを買うつもりでしたが、そのセッティングの難易度と、メーカー純正ECUの完成度の高さを比較すると、今の自分の知識では、 8ビットECUの方を触る方が良いと判断しました。

次に、16ビットECUで制御している車を8ビットECUで動かす方法ですが、某有名ロドスタ”FIRE”サイトに、 シリーズ2を8ビットECUで動かす方法が掲載されています。
最初、その内容は難解でしたが、要約すると、8ビットECUには「正常に点火してますよー」という信号入力(IGf)が必要で、センサーや電装品の構成がほぼ同一である為、各信号入力(ピンアサイン)のつなぎ替えで対応できる。
といった感じです。

IGf信号は「rs501.com」に、擬似信号を発生させるエミュレータ回路図が掲載されていますので、コレは自作するとして、 後はシリーズ2の車体側コネクターを接続するコネクターの入手がキモである。という感じでしょうか?

まず、BPF3-ECUをオークションや某有名掲示板で探したところ、 ECUはすぐ譲って頂ける方から連絡があり、すぐ手に入れる事ができました。(25,000円にて)

次に変換コネクターですが、ショップでも販売しておらず、また個人で製作したものをいくつかのHPで紹介していましたが 「ちょっと前までは作ってましたが、今は製作していません」とか、「部品入手は不可!問い合わせにも一切応じません!」等、 さみしいメッセージしか目に入りません。

また「シリーズ2の車体側コネクターを接続するコネクターの入手」 が最大のネックで、部品単体ではどうしても手に入れることが出来ず途方にくれていたところ、フィールド技研の延長ハーネスの存在を知り、一気に問題解決となって今回の「市販品流用による変換コネクター製作」 のスタートとなりました。

成功すれば結構安価にでき、出来上がるとかなり本気で嬉しいです(笑) ではぼちぼち本題へ...


変換コネクターの製作
フィールド技研のワンタッチコネクターを流用して製作。(CN-3、NA8C Sr2用)
NA8C用コネクターのピン数は、Sr.2用のECUに対応して3つ付いています。
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8ビットECUにつながるコネクター。これのピンをコネクターから一度全て引き、8ビットECUに対応した場所に改めてつなぎ替えます。
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ピンの抜き方です。コネクター後ろ側のピン押さえ?を起こします。
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コネクターが刺さる方に、細いマイナスドライバー等(針でもいいかもしれません)を差し込み、中の爪を軽く起こすとピンが抜けます。
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使用しない余ったコネクターと線。
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IGf信号を擬似的に発生させるエミュレーター。実際に作ってみると、結構小さなパーツですね。 製作したエミュレーターを、プラスチック製の箱に仕込みました。
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出来あがった変換コネクターとエミュレーター。ECUにつなげると、こんな感じです。
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製作のポイント

1.ピンの大きさが違う。
つなぎかえる線の中には、他のコネクターピンよりもピンが大きい箇所があります。 従って、ピンをつなぎ替える先が小さいピンの場合、一旦線を切断して使用しない(又はあまった) 小ピンを流用してコネクターに差し込む必要があります。又その逆のケースもあります。 コネクター大→小のつなぎ替えは4箇所、コネクター小→大のつなぎ替えは6箇所。

2.コネクターが余る
シリーズ1と2の本体ハーネスのピン数は違います。 CN-3を使用した場合、車体側からつながるコネクターは3つですが、シリーズ1ECU側コネクターは2つになります。 (結果、 1つコネクターがあまる)

3.配線の違い
「rs501.com」の記事と、 今回私が製作したコネクター配線の唯一の違いは、エアフロコネクターに結線されているアース線。 rs501.comの配線では私の場合、エンジンがかからず数日悩む。
シリーズ1、2のECU配線を見比べると、Sr.1の「2F」 端子はエアフロコネクタでアース線に結線されていますが、Sr.2のエアフロコネクタにはECU端子間への結線がありません。 怪しい(笑)
「2F」端子を単独アースしたところ、エンジンがかかりました!。 この線を単独アースするのもいいですが、コネクターの取付けや取外しのとき面倒なので、 「シリーズ1の2F端子」 を 「シリーズ1の1K端子(アースに接続されています) 」にバイパス配線して「2F」端子のアースを結線しています。 また、点火モニター信号(IGf)については、エミュレーターを回路図どおり製作して回路に割り込ませました。

4.参考資料
Sr.1とSr.2のピン位置比較と、エミュレーター回路図

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抵抗=10kΩ トランジスタ=2SC1815を使用。
 

なお、記載している回路はrs501のものと同一ですが、webmaster様には了承をいただいています。 この場でお礼申し上げます。

 

あとはコネクターピンを正確につなぎ替える事ができたなら、 あなたのシリーズ2は8ビットECUでアイドリングするはずです!

私の使用したECUはBPF3-881の32ピンロムです。 その他のロムについての動作確認はできていませんので、ご留意下さい。

-追記-
28ピンでも動作確認出来ました。(ECU基板のR672を短絡する必要があります。)

BPF3-881Bの場合はエミュレータ回路を外してもエンジンはかかりますが、タコメーターは動きません。 アサインされているところが違うだけですので、上記資料で確認の上、結線すれば問題ありません。