ROMチューンの準備

目的

ハイコンプやその他細かい箇所に手を入れる事で、 エンジンフィールをもっと良くしたいと以前から思っていました。

しかし効率よくなったエンジンに対し、燃料や点火関係がノーマルだと性能を余すことなく発揮させる事は難しいような気がします。

そこでROMを自由自在にいじる事が出来れば、かなり気持ちイイんじゃないかとずっと思っていましたが、やっと?環境を整える事が出来ました。

いつ実現するかわかりませんが「エンジンチューン」の下準備として、フルノーマルのエンジンでROMチューンをスタートしてみます。

あくまでセッティングの一環として行いますので、ROMで車を早くするのが目的ではありません。結果して速くなればラッキーやなぁという程度。

あとはROMがどんなものなのか単純に知りたい(笑)

 

必要な物を用意

・ROMライター

EP-ROMwriterの存在をおがた氏に教えてもらい、 組み立て及び動作チェック済みの物を購入。

ケーブルとか電源アダプター等、コミコミで8000円程。

28ピンしか挿せませんが、その点をクリアできれば格安でライターを手に入れることができます。

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基板むき出しで送られてきますので、私はアルミケースに仕込みました。

これにアクセスランプが付いたらメーカー製品と見分けが付かない!...わけないか(笑)

性能にはとても満足しています。

詳細はこちらをご覧ください。→EP-ROM Writer Web

 

・ROMイレーサー

こちらも製品を買わず自作。

色んなサイトを見てみると自作した方も多く、結構簡単に出来る事を知りました。

小さい蛍光灯器具に殺菌灯をつけただけのもの。3000円程で出来ます。

適当な箱にROMを入れ、30分ほど照射したらデーターは消えました。とてもお手軽ですし十分ではないでしょうか。

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・ECU(BPF3-881B)

コレもO氏から譲っていただいたもの。

ROMの取り外しが簡単にできるZIFソケット付きで、しかも28ピン対応にするためのジャンパー加工(R672の短絡)済みです。

即ROMの読み出しや、書き込んだものを装着できます。

 

・変換コネクター

881Bはご存知の通り、イグナイターのIGFが廃止されたECUで、Sr. 2に対応させるための変換コネクターには点火信号のエミュレーターが不要となります。

要はピンのつなぎ替えのみで事は済むのです。

しかし、ROMのデータは881と互換性が無くアドレス等も違うので、市場に多く出回っているであろう881用ROMのノウハウが通用せず、 厄介な面もあります。

それと、今回のECU変更は点火エミュレーターに何かしら不具合がある訳ではありません。単純に配線が少なくて済むだけのハナシで、 試してみたかっただけですので(笑)

ECUを変更するに伴い、881B専用のコネクターを作りました。

要領はつかんでいるので、さくっと作ります。のんびりやって延べ6時間ほどかかりましたが。

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ROMデータを見る

手元にあるROMの中身をのぞくため、ライターにROMをのせて専用ソフト「ROM writer lite(シェアウェア)で読み出す。

読み出したバイナリファイルをエディター「Stirling(フリーソフト)で表示すると、全データFFと表示され血の気が引く(笑)

全然読み出せていないのか、読み出したデータが壊れているのかとっさにはわからなかった。

静電気には気をつけていましたが、念のためそのROMをECUに挿しエンジンをかけてみる。

問題なくエンジンがかかることを確認できたので一安心。ということはライターに問題が?

各ケーブルや電源の具合など、EP-ROM Writerのマスターとメールでやり取りしつつ、あらゆるところをチェックしたが問題なし。

もうライター内部しか考えられないなというところまで来たとき、ふとライターをつないでいるパラレルポートの設定が気になったので、 BIOSを立ち上げ確認。

...不使用になっているじゃあないか!あーえらい恥ずかしいことしてしもた(笑)

設定を変えてやると、無事データーが読み出せました。EP-ROMwriterのマスターにその旨メールすると、「ちゃんと動いて安心しました」 と返事が。

誠実な対応をしていただき感謝しています。

バイナリファイルを見れただけで感激(笑)しかしまだ訳がわからんです。

幸いな事に、FIREなページより881B用ROMのエディターが手に入ります。

これを使って燃料と点火時期のデータを書き換え別名でセーブし、ノーマルのbinファイルと比較すると簡単にアドレスがわかります。

点火と燃料増量マップにたどり着きデータを見る。しかし行儀良くきれいにそろったデータではありません。

マップのスタートも中途半端なところから始まっていますし、点火と燃料増量マップの横軸も違います。

私たちが各サイトで見るロドスタのマップは、見易いようにわざわざ加工されている事をこの時初めて知りました。

ROMの一部分。ずっとこんな調子で16進のデータが続きます。

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ここまでやってみた感じ、やっぱり自分でそれなりの投資をして環境を作り、ノウハウをちょっとづつ蓄積していく以外に方法は無さそうです。

エディターで点火時期と燃料マップを書き換えるだけでは、本当に体感できるROMを作るのは難しい気がします。

増量マップで高負荷、高回転時の「ものごっつい濃いところ」を多少絞ると、吹けが軽くなった...かも? と私は何となく感じる程度でした。

SUMチェックやフィードバック制御、レブリミッターや各種補正等、把握すべき事は沢山ありますので、あせらずじっくりと取り組む事にします。

あと、空燃比計は本当に必要です。攻めたROMを作るのはそれを手に入れてからになりますね。