冷間始動テーブル

エンジン始動時のつながりを把握しやすくしてみた。

( )内はmotecでのパラメーター名称です。

 

MX5デフォルト値

 

始動前(First Injection)

 

クランキング補正(Cranking Comp)

400r.p.m.以上になったらカウント。ポストスタートと重複する。

 

始動後補正(Post Start Comp)


 

暖機補正(Eng Temp Comp)

 

LINK HELPより引用

 

 

入出力設定

デフォルト設定からの変更履歴など。

 

アナログ入力
左:デフォルト 右:変更後
 

 

基板実装のMAPセンサー(AN電圧3)を割り当てたまま、別で用意したMAPセンサー(DENSO)をMAFメーター(AN電圧4)に割り当てると、AN電圧3が優先されて負荷軸に反映されません。

・AN電圧3をOFFにして、Calテーブル1にDENSOセンサーの出力テーブルを書き、AN電圧4に設定。

・AN電圧5には別置きのA/Fセンサーを入力。

・ワイドバンドO2センサーで制御するので、AN電圧2(NB O2)をOFF。

 

 

欠歯モードのトリガオフセット

さて、前回はクランク・カムともホールセンサー、クランクセンサー(REF)はマルチトリガ、カムセンサー(SYNC)は1歯/720° というハード構成でのTDC認識について書きましたが、マグネットセンサーでREFに欠歯があるタイプはどうなるのか、実際に波形測定する機会がありましたのでいろいろ確かめてみました。

マルチトゥース/欠歯モードでのトリガーオフセットについては、LINKのヘルプに以下のような説明があります。

・TDC1に達する前にギャップがセンサーを通り過ぎる場合は、オフセットの数値を負の数(マイナス)に設定します。
・TDC1に達した後にギャップがセンサーを通り過ぎる場合は、オフセットの数値を正の数(プラス)に設定します。

何度読んでもワタシには理解できなかった(笑)

実際に波形を測定しつつ、LINKの出力から正しいトリガオフセットが求められた後、改めて読むと「ああ、そういうことか」となったので、ワタシなりの解説を書いておきます。

 

ハード構成
REF(クランク)トリガーホイール
・36-1歯(マルチトゥース/欠歯)

SYNC(カム)トリガーホイール
・1歯/720°

センサータイプ
REF・SYNCともマグネットセンサー(電磁)

PC LINKでの設定はこんな感じになりますかね。

 

オシロ波形を見つつ、1番インジェクターの噴射タイミングからトリガオフセット値を求めた結果、Syncモードがカムパルス1x場合、SYNC信号直後(角度等は関係なし)のREF欠歯(欠歯波形直後の+→-ゼロクロスポイント)を1番のTDCと認識するようです。

そして、トリガオフセット値は、ECUが1番のTDCとしたREF欠歯波形から1番の圧縮上死点までのクランク角度です。

 

これがわかれば以下の事項を確認すればオフセット値を求められるかと。

クランクをTDC1にセット、クランクトリガーセンサーの位置を確認し、そこをを基準としたREF欠歯までの角度を確認します。

REF欠歯がクランク回転方向から見てトリガーセンサー手前なら上記角度にマイナスをつけて、トリガーセンサーを過ぎているならそのままの角度を入力します。

そしてタイミングライトを使いベースタイミングを確認すれば、ほんの少しの修正でいける状態になっていると思います。(シーケンシャル点火の場合)

もしこれでエンジンがかからない場合はヘルプにあるように、例えば-100のセット値なら360加算して260に、85なら引いて-275と入力すればOKです。

なぜこんな事になるかというと、上記説明の「Sync信号直後のREF欠歯」がトリガーセンサーを過ぎた位置にいるのか、これから過ぎようとしているのかが見ただけでは判断できないからなんですね。

 

次にオシロを使ってREF・SYNC波形を見れる場合はどうでしょう。

物理的にはわからない「Sync信号直後のREF欠歯」については、バッチリ把握できます。

しかし残念なことに、SYNCセンサーの波形がTDC1からオフセットしたところに出るケースでは、ハードで言うところのTDC1がわかりませんから「Sync信号直後のギャップ」とTDC1の位置関係が把握できず、オフセット値の見当がつきません。

こんな場合は上記のセンサー位置とトリガーホイールから求めた角度を使い、TDC1を推測して波形に落し込めばうまくいくかも。

 

今回は幸運な事にSYNC歯がTDC1と位置的に合致しており、SYNC波形=TDC1と認識する事ができたので1発で角度がでました。

 

という事で、4chオシロとLINKがあれば、スマートにエンジンをかけるところまでもっていけそうです。

 

 

SYNC1歯のトリガ設定

LINKの電源を単独で生かし、トリガー信号を入力すればインジェクターや点火信号の出力を測定できる事が分りましたので、SYNC1歯でMX5プラグインを動かす設定を探ります。

トリガオフセットは「0」で固定。
トリガ1と2のエッジ設定を、RISE・FALL全てのパターン試して波形を確認しました。

 

参考に、m84アイドリングの波形です。

 

トリガエッジ各種設定での波形
REF波形にマーキングすると分りづらいので、1番の点火信号をTDCと表記しています。

・トリガ1:RISE トリガ2:RISE

 

・トリガ1:FALL トリガ2:FALL

 

・トリガ1:RISE トリガ2:FALL

 

・トリガ1:FALL トリガ2:RISE

 

 

エッジ設定(アクティブエッジ)と波形を見比べると、SYNCアクティブエッジ直後のREFアクティブエッジを1番のTDCと認識する事がわかります。

 

という事で、m84のアイドリングと同じ出力波形であり、トリガ2 Syncポジションも考慮した設定は、

トリガ1:FALL トリガ2:RISE トリガオフセット「0」

となりました。

 

PC LINKの設定
デフォルトのMX5ファイル設定

 

SYNC1歯の設定

 

クランクのトリガーホイールに欠歯が無いマルチトゥースで、カム1回転で1つのSYNC波形を出すハード構成では、以上の考え方が当てはまると思います。

 

 

波形測定(m84&LINK)

ダミーのインジェクター回路が出来たので、Ref波形込みで再確認をしました。

LINKのオフセットトリガ値は、あらかじめ設定した点火時期とクランクプーリーのマーキング(NA8CなのでBTDC10°にしています)をタイミングライトを使って合わせます。

今回(ノーマルクラセン)はご覧の数値でタイミングが合致しました。

 

ただ、クランクプーリーのマーキングが合っても、同時点火の場合は圧縮上死点が1番なのか4番なのかは判断できませんし、360°から上記のオフセット値を差し引いた値を入力してもエンジンはかかりますので、そこをハッキリさせるために、4CHのオシロを使って波形比較しようという訳です。

 

まずはm84でアイドリングさせ、クランクセンサーの信号を分岐してLINKに入力します。
そして1番インジェクターの噴射タイミングをm84とLINKで比較すれば、オフセットトリガがはっきりします。

また、波形を同期させればオフセットトリガの値も1°単位で合わす事が出来ますね。

 

・CH1:LINK#1インジェクタ波形
・CH2:m84#1インジェクタ波形
・CH3:REF信号
・CH4:SYNC信号
オフセットトリガ:-25の波形です。

 

オフセットを360°振った値を入れたら、#4のタイミングで噴射信号が出ました。
という事は、-25が正解です。

 

インジェクションタイミングをm84にあわせてみると、噴き終わりのタイミングが4msecほどずれています。

 

そこを合わせるとオフセットトリガは「0」に。

 

アイドリングに必要な噴射時間も把握できましたし、LINKのマスター燃料やマップ数値、トリガオフセット、インジェクションタイミングも視覚的に理解できましたので、波形計測出来たのは良かったです。

ありがとうynくん。

というわけで、モヤモヤしたところがすっきりしました~。