欠歯モードのトリガオフセット

さて、前回はクランク・カムともホールセンサー、クランクセンサー(REF)はマルチトリガ、カムセンサー(SYNC)は1歯/720° というハード構成でのTDC認識について書きましたが、マグネットセンサーでREFに欠歯があるタイプはどうなるのか、実際に波形測定する機会がありましたのでいろいろ確かめてみました。

マルチトゥース/欠歯モードでのトリガーオフセットについては、LINKのヘルプに以下のような説明があります。

・TDC1に達する前にギャップがセンサーを通り過ぎる場合は、オフセットの数値を負の数(マイナス)に設定します。
・TDC1に達した後にギャップがセンサーを通り過ぎる場合は、オフセットの数値を正の数(プラス)に設定します。

何度読んでもワタシには理解できなかった(笑)

実際に波形を測定しつつ、LINKの出力から正しいトリガオフセットが求められた後、改めて読むと「ああ、そういうことか」となったので、ワタシなりの解説を書いておきます。

 

ハード構成
REF(クランク)トリガーホイール
・36-1歯(マルチトゥース/欠歯)

SYNC(カム)トリガーホイール
・1歯/720°

センサータイプ
REF・SYNCともマグネットセンサー(電磁)

PC LINKでの設定はこんな感じになりますかね。

 

オシロ波形を見つつ、1番インジェクターの噴射タイミングからトリガオフセット値を求めた結果、Syncモードがカムパルス1x場合、SYNC信号直後(角度等は関係なし)のREF欠歯(欠歯波形直後の+→-ゼロクロスポイント)を1番のTDCと認識するようです。

そして、トリガオフセット値は、ECUが1番のTDCとしたREF欠歯波形から1番の圧縮上死点までのクランク角度です。

 

これがわかれば以下の事項を確認すればオフセット値を求められるかと。

クランクをTDC1にセット、クランクトリガーセンサーの位置を確認し、そこをを基準としたREF欠歯までの角度を確認します。

REF欠歯がクランク回転方向から見てトリガーセンサー手前なら上記角度にマイナスをつけて、トリガーセンサーを過ぎているならそのままの角度を入力します。

そしてタイミングライトを使いベースタイミングを確認すれば、ほんの少しの修正でいける状態になっていると思います。(シーケンシャル点火の場合)

もしこれでエンジンがかからない場合はヘルプにあるように、例えば-100のセット値なら360加算して260に、85なら引いて-275と入力すればOKです。

なぜこんな事になるかというと、上記説明の「Sync信号直後のREF欠歯」がトリガーセンサーを過ぎた位置にいるのか、これから過ぎようとしているのかが見ただけでは判断できないからなんですね。

 

次にオシロを使ってREF・SYNC波形を見れる場合はどうでしょう。

物理的にはわからない「Sync信号直後のREF欠歯」については、バッチリ把握できます。

しかし残念なことに、SYNCセンサーの波形がTDC1からオフセットしたところに出るケースでは、ハードで言うところのTDC1がわかりませんから「Sync信号直後のギャップ」とTDC1の位置関係が把握できず、オフセット値の見当がつきません。

こんな場合は上記のセンサー位置とトリガーホイールから求めた角度を使い、TDC1を推測して波形に落し込めばうまくいくかも。

 

今回は幸運な事にSYNC歯がTDC1と位置的に合致しており、SYNC波形=TDC1と認識する事ができたので1発で角度がでました。

 

という事で、4chオシロとLINKがあれば、スマートにエンジンをかけるところまでもっていけそうです。