Var.12 (同時点火)
motecにスピードセンサーのパルス入力をしてやれば、ギアレシオの入力でギア表示ができたり、Giar Compという項目で燃料と点火時期を補正する事も可能なので、センサー取り付けを考えてみました。
NA8Cはミッションにスピードメーター用のケーブルが刺さり、車内のコンビネーションメーターにつながっています。
そこからECUに車速パルスを送っているので、単純にそれをmotecに接続するつもりでした。
しかし、使っているセンサーが「リードスイッチ」というタイプになり、動作時のノイズがひどく、デジタル信号として使うことが難しい感じ。
NB1のアンチロックブレーキ用センサー流用も考えましたが、ナックル&ハブ交換の手間を考えると結構難しいので、設置も含めてお手軽にデジタル信号が出せるセンサーを探しました。
で、見つけたのが永井電子のスピードセンサー(No.6680)。
割り込ますタイプでは「高いほう」と称される(笑)センサーです。
これはロードスターのクラセンと同じ「ホールセンサー」を使っていて、きれいなデジタル信号をシャフト1回転で8パルス出してくれます。
また、ミッションのスピードメーターケーブルに割り込ますので、リアタイアを浮かせば実走しなくてもセンサーの動作確認が出来、トータルで考えてもNBセンサー流用よりメリットが大きいかと。(高いけどw)
結線は電源とアース、信号出力線の3本です。
信号線入力を分岐し、2つのチャンネルに入力。
【B10】DIG3 : Left Gound Speed
【B11】DIG4 : Right Gound Speed
センサー設定は下記の通り。
Digital Input Functions は Dig In 3、Dig In4 とも同じ設定です。
Calibration の設定数値についてですが、これはスピードセンサーには、1kmで637回転という規格があるようで、この数値を元に設定します。
ちなみに時速60km/hでシャフトは637r.p.m.で回転する事になりますね。
で、calibration の入力値はどうなるかというと、0.1km(100m)走った時に入って来るパルス数を入力しますので、
637/10×8(パルス)=509
となるわけです。
後は実走して、ナビなどの速度とmotecの表示を比較し、微調整すればいいでしょう。
以上の設定で右、左の Gound Speed は表示されますが、リソースとして使いたいGound Speedはまだ出ません。
それを出すには、 トラクションコントロールのパラメーター設定が必要です。
テストはセンサーのシャフトをドリルでくわえて回転させました。
純正ECU装着時にテクエジのNB-Simでフィードバックさせているのを、 純正O2センサーとアッセンブリで交換する「ユニバーサルO2センサー」に交換する事で、 仮にテクエジにトラブルが起きても大丈夫な様にしてみました。
購入したセンサー
ボッシュ(BOSCH)ユニバーサルO2センサー
15733(LS602/LS615)
センサーとハーネスをつなぐコネクター。
ボッシュセンサーのハーネスの長さが純正センサーと同じくらいでしたので、中継コネクターは使わず、 手元にあった070防水コネクターを直挿ししました。
使用コネクタ(純正と同形状)
TycoエコノシールJシリーズ・マークⅡ070型4極防水プラグ
純正結線は下記表のTypeBだと思われます。
センサー取り付けはハーネスを延長し、触媒前のボスに移設。
フジツボエキマニの#2ボスはブラインドプラグで栓をしました。
後日談
写真右側がフロントです。
ちょうど真ん中あたりにあるプラグで栓をしているボスにセンサーを取り付けると、何故かワイドバンド・ナローバンドとも寿命が短く、1年もたたないうちにダメになってしましました。
なので、ユニバーサルセンサーのボスをエキマニ集合部直後に新設。
以降、壊れなくなった事からピンポイントでこの位置がダメだったのかも知れませんね。水が大量にかかるとか。
ピニオンロックナット(コンパニオンフランジナット)の締め付けは、ナントカNmでOKという単純なものではなく、 ピニオンギアを支える大小ベアリングのプリロードを考慮する必要があります。
ナットの締め付けに対し、逆方向に突っ張るのがディスタンスピースという部品で、 テーパ形状のベアリングレースとベアリングに適切なプリロードをかける働きがあります。
ベアリングへのプリロードは、コンパニオンフランジのナットの締め付け具合で調整し、ピニオンギアを回転させ摺動抵抗を測り確認します。
【ドライブ・ピニオン・ベアリング・プリロード】(整備書抜粋)
ロックナットを
128~284Nm (13~29kgf・m)
にて締め付けた時、
0.9~1.3Nm (9~14kgf・cm)
※オイルシール無し
【ロックナット締め付けトルク】
117~176Nm
ナニが難しいって、ディスタンスピースが締め付けトルクを吸収する構造になっているところで、 仮に120Nmで締め付けた後ロックナットを緩め、改めて同じトルクで締め付けると、 先ほどの締め付けで縮んだディスタンスピースをまた0Nmから120Nmかけて縮める事になりますよね?
なので、大事なのはベアリングプリロードを満足させる締め付けナットの位置ではないかと。
トルクレンチで締めてみて初めてわかったのですが、少しづつトルクを増やして締め付けていっても、 それはディスタンスピースを縮めるトルクであって、プリロードを再現する数値ではない感じがします。
要はナットの締め付けトルクは「成り行き」って事ですね。
また、ピニオンプリロードが出ないからと、より高い締め付けトルクをかけていけば、ベアリングを破損させる可能性がありますし、 どんな方法がベストなのか非常に悩ましいところ。
というわけでいろいろ確かめてみる。
1.ディスタンスピース単品のつぶれ
ケースには入れず、 ピニオン単品にベアリングやフランジを組む。
ロックナットを徐々に締め付けていくと、120Nm辺りからトルクが逃げていく感触があったので、 ディスタンスピースのつぶれるトルクはココでしょう。(個体差はあるかも知れない)
以降、120Nmからトルクが上がらないままどんどん締め付け角度は増えていき、ディスタンスピースは潰れていきます。
2. ディスタンスピースを抜いて締め付け
ロックナットを30Nm位で締め付けただけで、 コンパニオンフランジはほぼロック状態になった。
ということは、ロックナットの締め付けトルクは、ディスタンスピースあっての数値ってことですね。
3.NB2デフ各測定値(ユーズド)
・ピニオンハイト (ベアリングキャップ平面~ピニオン上面)
63.93mm(9.95角アルミ棒含む)
・ピニオンスペーサー
3.35mm(シックネスゲージ実測)
・ロックナットゆるみトルク
170Nm
・ベアリングプリロード
2.5kgf・cm(オイルシール付き)
・ピニオン先端~ロックナット上端(締め付け後)
3.95mm
・ピニオンスプライン端面~ディスタンスピース上面
56.3mm
・ディスタンスピース単品高さ
47.8mm
4.まとめ
ロックナットの締め付けトルクは「成り行き」なので、プレート型トルクレンチは必要。
締め付け前にディスタンスピース無しで組み、ロックナットを締め付けて、プリロードが厳しいところで止める。
で、ロックナットとピニオン先端(ネジ側)の高さをあらかじめ控えておけば、締め付け過多によるベアリング破損は防げる。
また、このタイミングでピニオンハイトも確認しておく。
結論として、感覚的なところが大きく、「こんなもんだろう」という世界のようですね。
新品のディスタンスピースを締めつける場合(自分用メモ)
最初のうちナイロンの抵抗でナット(ソケットサイズ26)はスルスルと入って行かないが、普通サイズのソケットレンチで締まる。
ナット側のベアリングがディスタンスピースに当ると、普通のレンチではそれ以上回らなくなるので、MAX280Nmのプレート型トルクレンチに交換。
まだこの時点でベアリングにプリロードはかかっていないので、コンパニオンフランジは上下に5mm程動く。(取り外したディスタンスピースと比較すると、新品は約5mm程高さがある)
ココからナットを少しずつ締める → ダイヤルゲージで上下のガタを確認する をダイヤルゲージの振れが無くなるまで繰り返す。
ディスタンスピースをつぶすのに、150Nm程のトルクがかかっていた。
振れ「0」からは回転抵抗を確認しつつ、少しずつトルクレンチで締めていって「ソコソコ」の抵抗になれば作業終了。
ベアリングのバックラッシュが「0」になれば、必要以上のプリロードは不要。
回転トルクが高くなるポイントは、ベアリングロック付近なので追い込むのは危険だと思う。
上下のガタが無くなってから今回は45度程締めつけて終了。
以上の手順でマニュアル値(0.9~1.3Nm)辺りのトルク値になっているかと。
ただし、マニュアル値はオイルシール無しの記述があったので、これよりトルクが少しくらい高くても大丈夫だと思う。
・ピニオン先端~ロックナット上端(分解前)