フリクションオフセットスペーサー

車検整備でロドスタのサスを分解し、ショックロッドの動きを見ようとグーっと縮めて手を離すとロッドが上がって来ない...。

ガス抜けです(-_-;)

慌ててYZさんにショックを持ち込み、N2ガスを入れてもらいながら色々話をしていてわかったのですが、
「ロドスタのリアサスはロッドに結構無理な力がかかるから、ガス抜けとか起こしやすいんだよね。」
とか、
「ピロ受けにするのが1番なんだけど車高下げられなくなるし。」
など、脚のウィークポイントを色々とご存じでした。
(ロードスターは相当数やられたみたいです)

 

ロッドに側圧がかかる原因の1つとして、ショックストロークの過程でロッド角度に変化があってスプリングが真っ直ぐに押されず、極端に表現すると「く」の字に曲がるからみたいですね。

NAアッパーはその辺り考慮されているようですが、NBアッパーからはロッドの首振りに関して微妙な感じみたいですね。

酷い時にはロッドに焼き付いたあとや、偏摩耗が見られるケースもある様です。

ワタシの様に車高を落としたロドスタは、ストロークのどのあたりでスプリングが真っ直ぐになっている?車高はどのくらい?と知りたくなったので、まずはいろいろ計測する事にしました。

 

まずはアッパー取り付け面の角度を測定。水平から何度という感じに測ります。

 

次にショックロッド先端にアングルセンサーを取り付けて全伸び→アームロックの角度変化を測定。(写真はフルストローク)
微妙にロッドが傾いている様子がわかります?

全ストロークで4度弱の傾きの変化がありました。

 

アッパー取り付け面と同じ角度になるまでストロークさせタイヤをはめた時の様子がこちら。
純正1G車高に見えます。
言い換えれば、純正の設計はロッドへのフリクションがほぼ無いところからストロークさせるという事でしょう。

 

マンガで描くとこんな感じ?(寸法等々適当です)

 

さらにマイロドスタの車高(指1本)に合わせて角度測定。

測定結果から、自分の1G車高(指一本)では常にバネが曲がった状態(ロッドに負担がかかった状態)であり、さらにバンプするともっとバネが曲がっていく事がわかりました。

アッパー取り付け面角度と自身の1G車高でのロッド角度を比較すると、数度の差があります。

という事は、あらかじめアッパー取り付け面をその角度に合わせておけば、純正と同じくフリクションがない状態からストロークさせられるのでは?という事で、アッパーマウントスペーサーを元に、1面を任意の角度でカットしたものを考えてみました。

イメージとしてはこんな感じです。
車高調整用のアッパーマウントスペーサーは昔から製品があるので、形状的には想像しやすく、カットする角度については自車で取ったデーターを基に寸法は出そうですね。

 

構想がある程度まとまり、テストパーツを作ろうかとなったんですが、小ロットで引き受けてもらえる所がすぐに見つかったので、在庫覚悟でいくつかつくっていただきました。

もし致命的な設計ミスがあったらと不安があったものの、数名のロドスタマニアの方々に所見をいただいて、その感触が良かったので製作に踏み切ったという感じです。

 

届いたブツ。
スチール製でニッケルメッキしています。



 

付属の特殊座金でスペーサーの角度を吸収しますので、アッパー取り付けネジを斜めに締めることはありません。

車高は取り付け前と比べ、フェンダー位置で3mm高くなります。

このスペーサーを取付して効果が期待できるのは、1G車高が純正サス車高より低いロードスターのリアサスで、
・NBアッパーのもの
・ピロアッパーでバネがアッパー面に直付けタイプのもの
となります。

効果の程はいかに...。