NAヘッドの面研 (2ndエンジン製作抜粋) 

面研
面研量を指定する為、圧縮比をどのあたりにするかまず決めます。

圧縮比は以下の式で求めます。
・1気筒排気量 ÷ ピストン上死点時燃焼室容積 + 1 = 圧縮比

面研前の燃焼室容積を測ると、50.6ccありました。(1気筒目)
img_20060825T203700593

BPの1気筒排気量は460cc。

ガスケット厚は0.08cm。容積は約4.326cc。
NB2ピストンはブロック上面より、0.053cm下がっています。
その分の容積2.866ccをガスケット容積に加えると、約7.2ccとなります。

ピストントップ容積は4気筒平均で7.44cc。

以上の数値を上記式に当てはめると、現状でそのまま組んだ時の圧縮比が分かります。

460 ÷(50.6[燃焼室容積]+7.2[ガスケットとピストン下がり分]-7.44[ピストントップ容積])+1=10.1[圧縮比]

圧縮比を10.5にする為の燃焼室容積は
460÷(10.5-1)=48.42 cc

ガスケット容積を引き、ピストントップ容積を足すと
48.42-7.2+7.44=48.66cc

燃焼室を48.66ccにすれば10.5の圧縮比が得られます。

BPヘッドは1mm面研すると約4.8cc減るそうです。
最初に測った燃焼室容積50.6ccから目標容積を引くと1.94ccです。
4.8ccで割ると0.4mm研磨で10.5の圧縮比になります。

加工後の測定で、圧縮比が10.5を切ってしまうとちょっとショックなんで(笑)余裕を見て0.5mm面研にしようと一旦は決めた。
しかしその後、まー色々雑念が出てきて(笑)0.3mmプラスして0.8mmの面研量を最終的に指定。

数日後届いたヘッドの燃焼室には、面研の際にできたエッジが結構ありましたので、それを削って滑らかにしてから容積測定しました。
P7230039_R

 

最終測定値
img_20060825T203702562

表の説明を少し。
・ボア
BPのノーマルボアです。

・ブロック上面~ピストントップ
ピストンを上死点にセットしても、ピストン上面はブロック上面とツラが合わず、少し下がった位置になります。
ダイヤルゲージで測ると0.5mm(0.05cm)ほどありました。

・ピストン下げ量
ピストントップの容積を測る為、任意の寸法分ピストンを下げておきます。私は6mm下げました。

・測定油総量
単純にピストンを下げた量から、そのシリンダーに入る測定油の全容積を計算したものです。

・注入油量
ブロック上面にアクリル板を置き、注入した測定油の量です。

・ピストントップ容積
測定油総量から注入油量を引いた数値です。

測定の結果、圧縮比は10.7となります。