無事エンジンがかかり、アイドリングするようになったらベースとなる燃料マップを作っていきます。
ミクスチャーマップというセッティングツールがPC LINKにありますので、今回はその使い方を紹介。
走行状態については、ダイナパックまたはシャーシダイナモを使って環境をつくりセッティングしています。
【事前準備】
1.空燃比マップ
燃料マップの目標として必須です。
個人的にはこのマップがエンジンの性能を引き出すとても重要なものであり、チューナーのスキルや個性が1番反映されるものと捉えています。
2.ワイドバンドラムダセンサーの設定
ラムダセンサーの計測値を使い、目標A/F/ラムダテーブルと測定値の差(エラー)を見るので、正しくワイドバンドセンサーの値を示すようECUに入力する必要があります。
3.燃料メイン設定
Mazda MX5 1.8(1.6) 7Bar G4X Xtreme Plugin の設定でとりあえずOK。
4.マップ負荷軸
私はシングルスロットルの場合、気圧補正も同時にできるMGP(MAP値-BAP値)に設定しています。
【ミクスチャーマップ】
チューニング - ミクスチャーマップを選択すると、
以下の画面が出てきますので、更新する燃料マップを選択。
デュアルマップ、4Dマップにしていなければ燃料テーブル1の選択のみとなります。
ログデータ取得元の燃料負荷は燃料マップ、目標負荷は空燃比マップの負荷軸です。
フィルタを有効にしなければ取得したログデーターすべてがミクスチャーマップに反映されますが、1セルの空燃比は平均値なので、データが多ければそれだけ平滑化された値となる為、適切な補正値から離れる可能性があります。
ある程度条件を設定してログデーターにフィルターをかけると良いでしょう。
OKを押下するとミクスチャーマップ(燃料テーブル1)と出てきますが、格子は出て来ずエラーメッセージが表示されます。
これはPCログを読み込んでいないため表示されるものですから、この時点では問題ありません。
エンジンをかけ、PCとの通信を確立→「F8」キーを押下しPCログ取得スタート。
走行してそれなりの範囲のログを取得したのち「F8」キーを押下しログ取得ストップ。
ミクスチャーマップの左上、もしくは右クリックでミクスチャーマップを更新すれば、ログを取得した範囲の実測値と目標値、目標に対するエラー値が表示されます。
(表示項目は設定可)
エラー(差)が大きい場合は赤色に近づき、小さくなるにつれ緑色にセル背景色が表示されます。
例として、エラーの大きい1500r.p.m.×MGP-65のセルをダブルクリックすると、エラー値の4.16を補正した噴射量が燃料テーブル1の該当セルに反映され、背景がオレンジ色になります。
ダブルクリックして変更が反映されたセルはブルーグレーに反転します。
ミクスチャーマップのエラーが大きい箇所を更新し、走行→F8(ログオン)→F8(ログオフ)→ミクスチャーマップ更新を繰り返し、緑色のセルを増やして(目標に対しての差を少なくして)いきます。
ミクスチャーマップ更新で大きな変化がなくなるころには空燃比も再現性が出てきて普通に走れる様になっていると思います。
ただ、大雑把にマップが出来た状態でもあるので、細かい詰めは時間をかけてやってみて下さい。
また、フィルターのかけ方によっては周りと大きく違う数値のセルが出てきます。
メインマップを表示し「K」キーを押すと3Dに切替わりますので、視覚的にその差を確認し数値のリセットをすれば良いと思います。