バネレートとダンパーストロークの関係( NA8C )

ロードスターNA8Cの車検証に記載されている軸重から、バネ下荷重(予想)を差し引いた値を元に、バネレート、自由長別に1G時のダンパー沈み代(リバンプストローク)を表してます。
各項目の説明、考え方は表下に記載。 
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・表の項目について 

「バネ自由長」は一般的に販売される直巻きバネの高さ寸法で、203ミリは8インチ、178ミリは7インチです。 

「軸重」はバネ下1箇所につき20kgと仮定し、車検証の数値から差し引いたもの。 

「縮み量」は車重をかけたときのバネの縮み量です。 
バネに車重をかけたとき、バネの「縮み量」分ロッドがダンパーケース内に入りますが、このロッド寸法も同時に表します。(言い換えればリバンプストローク) 

「バネ1G長さ」は1G時のバネ長さ(高さ)です。プリロードがいくらかかっていても、車重がかかれば結局この寸法になります。 

「ショックロッド縮みストローク」は先ほどの「バネ縮み量」、言い換えればリバンプストロークを60パーセントとした場合、残りの40パーセント値です。 
これは1G時のロッド位置が、伸び側6割、縮み側4割が良いという考えから出した値です。 

「ショックロッド全ストローク」は単純に伸びと縮みのストロークを足した値です。 
バンプラバーをつける場合は、その高さ(厚み)もある程度考慮し、バンプストロークに反映した方が良いかもしれません。 

 

・車高調整の参考に 
スプリングシートやカラーでサス全長を変更した場合の車高変化量と、車高をmm単位で変更する場合、どれだけサス側で調整すればいいか一目でわかるようにした表です。 
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YZダンパーインストール

元々吊るしのショックでは満足できず、色々と自分なりに寸法を考えて購入したヒルクライムダンパー。

出来れば同じものが欲しかったのですが、フルモデルチェンジしていて同じものは手に入らなくなっていました。

ならば同寸でと探してみると、YZのものが1番近く、またモデルによってはロッドやケース長も変えられるので、 今回はここの足回りに交換する事にしました。

先行してリアを紹介。モデルはYZR9H。
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ケース長は210mmと非常に短く、またヒルクラダンパーとストローク等寸法がほぼ同じ。
ピロ受けも含め導入はそのまま各パーツをトレードするだけでした。

YZR9Hのロアブッシュはデフォルトで厚みが36mm、材質はゴム製です。
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ロドスタに合わす為に45mm厚のウレタンブッシュとスチールカラーを追加注文する必要があり、出費がかさむ(笑)
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写真はアームロック時のロッドの状態。フルストロークまで15mmほど余裕があります。
バンプストッパーは30mmで組みました。
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次にフロントですが、モデルはYZFAFに丸首ブラケットをつけたもの。
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NB→TEIN改造ピロとアッパーを変えてきましたが、今回事前にピロ受けアッパーを準備することができたので、 それを見越し現状と車高が変わらないようなケース長をオーダー。
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まずは図の部品構成で組んでみます。
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写真は178mmバネをプリゼロで組み、アームロック(スプリングシートがアッパーアームに当たる位置)させたときのロッド位置。 
フルストロークまで25mmの余裕。
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次にタイヤが天突きした時のロッド位置は、フルストロークまで28mm。
タイヤ天突き-アームロック=3mmの有余しか無いんですね...。もうほとんど誤差だと思うので、 天突きと同時にアームロックすると思って良さそうです。

この辺りは厚めのバンプストッパーで対処するしかないでしょう。

ショックに付属していたのはいわゆる「ストッパー」で、NBバンプラバーよりも硬度が高いもの。
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カラーの逃げを施してみました。
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どのくらい硬いのか、というか縮み代を知るべくロッドに装着してバンプタッチさせてみました。
車体が浮く程の硬さはなく、 アームロック位置でこんな感じに。
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実際組んでみると街乗りで支障をきたす程低い車高になり、ちょっとコレじゃあねという事で、アッパースプリング シートと、ピロアッパー間のカラーを5mm→17mmに変更。
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カラーで車高を変更した場合、5mmカラーの時測ったタイヤの天突きや、アームロックの位置関係が変化するのでは? と疑問に思う。

ロアブッシュからスプリングシート位置が変わってないので、先ほどの位置関係は変わらないと予想しつつ、 ピンと来なかったので簡単な図面を描いてみました。


・左がカラー17mm、右が5mm。(黒く塗りつぶした部分)
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・5mmカラーでアームロックする位置での比較。
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カラーで上げた分、ロッドストロークが少なくなり、その他の条件は変わらないという事か。
アームロックのロッドストロークに着目するより、ショック全長で考えれば分かりやすいんですね。納得しました。
ちなみにスプリングがここまで縮まるかどうかは考慮されていません。

バンプラバーはアームロック位置でここまでつぶれます。
コレならストッパーとして機能しそうですね。
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ストロークの余裕は10mm位?
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あと、自由長178mmのスプリングをプリゼロで組んだ場合、スプリングロックシートがかなり下がった状態なので、カラーで車高を上げつつ、 シートも上げてやるとアームロックに対して少しは有利になると思いますが、 それはロッド端面とアッパースプリングシートの間にカラーを入れると実現できます。
底突きの事を考えると、直径の大きなカラーを使うほうが良いかも知れません。
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・各部寸法です。
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