プラグインモデルを取り付けしたワタシのクルマで起きた事象になります。
エアコンスイッチを「ON」にしてブロアを回した時、風量「1」だとコンプレッサーのクラッチは外れずエアコンは効いているのですが、「2」以上にするとエアコンリクエストが切れ、エアコンが止まってしまいました。
どうもプラグインに換装したエアコン付きのNAは、ファンの風量を上げて行くといづれかの段階でエアコンリクエストが切れる事象が出るようです。
(全く問題なく最大風量までいく個体もある様ですが、まれなケースです。)
原因がわからなければ対処できませんので、まずはそこから。
エアコンリクエストのECU側のピンは「1Q」(Sr.1、1.5)「1K」(Sr.2)で、デジタル入力としてLINKに割当てられており、設定のOnレベルはLowなので、このピンがグランド(GND・アース)に落ちたらACリクエスト「ON」→ACクラッチ&コンデンサファン「ON」になるという流れになります。
では次にデジタル入力のLow検出は、グランド間との抵抗0Ωで完全にアースされなければいけないのでしょうか?
1Qピンとグランド(シャーシ)間に電圧計をつなぎ、エアコンスイッチ「ON」・ファンスイッチ「1」で確認すると、mVオーダーにはならず1Vちょっと電圧が出ていましたが、エアコンリクエストは切れませんでした。
という事は、Low検出は電圧があっても(多少の抵抗があっても)出来ている様です。
続いてファンスイッチ「2」にすると、少し電圧が上がってエアコンリクエストは切れてしまいます。ファンスイッチの風量を上げて行くと、電圧も同じように少しづつ上がっていきました。
エアコンリクエストが切れる電圧を探っていくと、だいたいの閾値がわかってきましたので、そこまで電圧を上げない(エアコンリクエストに使用するピンのグランド電位を上げない)様にすれば良い訳です。
ブロアファン周りの回路。
A/Cスイッチを入れてもブロアを回さなければ、DI1がグランドに落ちない回路になっています。
よーく回路を見てみると、ブロアモーターのグランドとエアコンリクエストの回路は共通のアースを使っています。
ファンスイッチ「1」だとブロアファンのアースは3つのレジスター(抵抗)を介してグランドに落ちるのでその分回転が低く、エアコンリクエストの方はほぼ直接グランドに落ちます。
その時グランドに流れる電流は、12V/レジスターの抵抗(3つ分)となりますので、小さいものとなりますが、風量を上げて行けばレジスターの抵抗が減り(抵抗なし)、電流は大きくなっていくので、ブロア回路のアースポイントに少しでも抵抗があると、ここで電位を上げてしまうわけですね。
対処の方法は色々あると思うのですが、今回は確実な動作をさせるためのアダプターを製作しました。
センターコンソールの分解やハーネスの途中分岐等したくないので、比較的簡単に導入できる仕様です。
現在製作は受け付けておりません。