ロールケージファイナル

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温めていたといえ、既に3年も放置していたロールケージ。
いい加減自分のクルマに付け、走行会をオープンで走ってみたくなりました。

元々セーフティー21の5点式を改造してどーだバーと共存させようと考えたのですが、 ナロー化の為に一部を切り取ったメインアーチを見るうち、 溶接するとはいえ冷間引抜継目無炭素鋼管を切り貼りするのは、強度面で良いのだろうかと思うようになり、 またもや作業はストップ。

逃がすために1部切り取ったメインアーチ。
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その後、同じものをオークションで購入し(形が気に入っていた)、 加工途中のメインアーチは追加バーの素材として使う為、切断してパーツ化しました。

メインアーチの加工は、「継いだり、大きな切り欠きは設けない」という条件を付けて、納得いく加工方法を考えます。
どーだバーとロールケージを共存させるには、特にハードトップフック部付近のメインアーチを、どう収めるかがキモです。

で、次の手はどーだバー側の加工。
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確か2mm程フライスでフック部を削ればイケたんじゃないかと採寸してみたところ、 左右で10mmは削らないとセーフティー21が入らない事を確認。
そんなに削ったら固定部分がなくなる(笑)

残すはメインアーチをベンダーで曲げてナロー化するくらいでしょうか。
しかし後ろのバーを止めるブラケットが邪魔をして、曲げたいところで曲げられない感じです。

色々加工して結局だめにする可能性もありますし、セーフティー21を装着するのは諦めました。

こだわって2つも買ったのに(笑)

 

そんな中、カワモト君からロールケージ取り付けの依頼があり、 直送で届いたそれはサイトウロールケージのものでした。

目がいったのはナローなメインアーチ。

サイトウ製のメリットはシートベルトに干渉しない事と、無加工でどーだバーと共存できる事です。

メインアーチの角度は「どうもなぁ...」と思いましたが実際にカワモト号に取り付けてみると、色々考えて作られているのがわかり、 それ程気にならなくなりました。

オークションでサイトウ製と思われる物を探し、届いたのはスチール製の40φ。

♪どっちかなぁ~と梱包を持った瞬間わかりました。クロモリと比べて明らかに重いです。

別にどちらでも良かったので、気にしていませんが...いやホントですって(笑)
でも、微妙にがっかりした気もする。

 

仮組み

サイドフック部で固定する為のパーツ構成や、補強バーの追加方法を考えるためにまずは仮組みです。
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夢のようなクリアランス(笑)
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仮組みでロールケージを収まる位置を把握すると、リアバーのボルト穴は1箇所だけ使うことが出来、その他は開け直しをする必要がありそう。 

以前付けていたセーフティー21用のボルト穴は、サイトウの板で覆い隠すことが出来ませんので、後ろ側は当て板を工夫したいと思います。

お次はメインアーチ側。
リブの部分をかわす位置にボルトを通す為、サイトウのメインアーチが溶接された鉄板に穴を開け直そうと思いましたが、 そうするには鉄板が小さい事がわかり、ここも1から作り直す事にしました。
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メインアーチの鉄板
まずは出来るだけフロアに対して安定した位置に鉄板が据わるよう、形状と大きさを決めて厚み3.2mmの鉄板を切り出す。
位置決めの参考に、1cm方眼を鉄板に書き込みました。
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このままだとアンダーコートの上で安定しませんので、それを剥ぎ取ってから置く事にします。
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ちなみにこのアンダーコートは純正ではなく、以前フロアのフレームを潰して鈑金に出した際、 ついでにツブれたリブと穴をふさいでもらったのですが、その時に鈑金やさんが貼ったもの。

剥がしてみると...
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うーん、塗装されていませんけど orz。
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穴はハンダで埋めた様ですね。ここは希望通りですが、なんか金属粉は大量に残ってるし...錆びて無いのでこれもアリ?

まあ個人的感想をいえば、見なかった方が良かった、でしょうか。

この際ですので、ちゃんと塗装してからメインアーチを置くことにしましょう。

 

フロア下の当て板
Lアングルを15cm位の長さでカットし、ボルト穴と左右をつなぐM6ネジ用の穴を開けます。
幅を微妙に調節できるこれを実際に取り付け、ちゃんとリブをかわす幅かを確認すると、もーホントにぎりぎりの位置。 ちょっと攻めすぎた(笑)

寸法取り用のマスター型。
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メインアーチ
こんな感じでケガいてカット。
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切り出した鉄板に乗せると残した鉄板の厚み分浮き、スワリがとても悪い。

仕方なくバーと板のビードを削り、根元で切り取る事にしたのですが、一部浮いたところを無理矢理肉盛りしていた箇所があって、 完全分離までにカットディスクを3枚消費し、この日1番のハードな作業となりました(笑)

鉄板にのる面の角度とに気を付けつつ、最終はヤスリでカット部を仕上げます。

位置決めの参考に、1cm方眼を書き込んだ鉄板の上にのせ「すわり」を確認。
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角度も含め、だいたい良い位置が出そうです。というか、この方眼はやって大正解!
左右同じ位置にメインアーチを溶接するのにとてもわかり易いです。


メインアーチとHTサイドフック部の固定
この夢のようなスペースが、かえって悩みを生む事に(笑)
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各種スチールアングルとフラットバー、素材にしたロールバー、角パイプと40φのホルソーを使い、 シンプルで組みやすくてそこそこ強度のあるモノが出来ないか、主に通勤時間をつかい(笑)ウンウンうなって考えました。

で、その結果がコレ。
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1辺25mm、厚み約1.5mmの角パイプの片側を、ホルソーにてR 状にカット。

サイドフック側はもう少し下で鉄板に溶接し、長いM8ボルトで固定という感じにしようかと。
微妙な角度は現物あわせで寸法を出します。

コレでメインアーチは何とかなりそうですな。


メインアーチ -フロア下の当て板
前回サラッと紹介したフロア下の当て板ですが、大抵のロールケージは平板で、フロアリブの1部をヘコますか潰してしまいます。

純正はどうなっているのか知りたくなり、ジムカーナにいらっしゃった1028オーナーにフロアをのぞかせてもらうと、 当て板は写真の様になっていて、見事リブをかわす設計になっています。
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ボルトもM10ではなく、M8が1プレートにつき3本採用されており「コレで良いんだ」と勇気をもらった気が(笑)
コイツをどうにかして作れないかと考えていた事も、ロールケージをなかなか付けられなかった要因の一つでした。

そんな時、一緒にジムカーナに参加されているmitsuさんから 「ウチならすぐ出来ると思いますよ~」と声をかけていただいた。

mitsuさんは金属加工会社のシャチョーさんで、私の欲しい形の部品なら自社の部材と機械で何とかなると、 わざわざ教えてくれたのでした。

お仕事のじゃまになるのではないかと最初は少し遠慮していたのですが、週末なら仕事も空くのでという事で、 先日工場におじゃましてきました。

何より、東大阪の工場、工作機械、金属加工といったワードにとてもそそられ、辛抱たまらなくなってといった方が正直なところ(笑)

工場に行ってマスター型を見せると、いきなりノギスで実測が始まり、さらさらと各寸法をメモされるmitsuさん。

メモを持って応接室から出て行き、しばらくして帰ってきたmitsuさんが、
「今作ってますので~。」
とおっしゃったのを聞いて、え?そんなにお手軽なものなの?とびっくり。

しばらくして立ち上がったmitsuさんと一緒に工場に向かい、製作途中のブツを見に行きます。

工場内に大小多数並ぶ工作機械は、ほとんど折り曲げ専用の機械で、金属板をいろんな角度に曲げれるモノだそうです。
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コレが曲げる前の部材。t=3.2mmのボンデ鋼板です。
マジックで書かれているのは、切り出す寸法と製作個数でしょうか。
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平板を手に取った職人さんは流れるように鋼板を曲げていき、あっという間にイメージ通りの当て板が目の前に並んでいきます。 
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とても感動しました。


工場見学もさせていただいた上、私の欲しかった部品を目の前で作っていただいたのですから。
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結局、私の分も含め10台分の当て板を作っていただけました。
mitsuさん、作っていただいた職人の方、本当にありがとうございました。
面取りや塗装をしっかりして、カッチョイイ当て板に仕上げたいと思います。

 

装着
帰宅して早速当て板に穴をあけ、実車に取り付けると...
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ムホー!カッチョイイ!!まるで純正品のような出来。
手を切らないよう角を丸く加工し、塗装して取り付けします。


後方バー -トランク下の当て板
後ろ側の当て板は、幅60mm、厚さ3.2mmのボンデ鋼板を、使用しないボルト穴をふさぐ大きさに切り出して、 サイトウサイズに穴をあけます。
右はバッテリー線をかわすように切り欠きを設けました。
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で、いよいよロールケージ装着で今回1番悩んだ部分の仕上げを。
それは、メインアーチとハードトップサイドフックのジョイント。

以前紹介したとおり、メインアーチ→角パイプ→厚み4.5mm鉄板を溶接にて結合し、 鉄板をどーだバーのM8ボルトで共締めという感じにしようと思います。

フラットバーを切り出してサイドフックボルトの間隔(実測26mm)で穴あけ。あんまり動いて欲しくないので、8mmのキリを使用。
鉄板をボルトで仮止めし、角パイプを何度もあてがって収まりのいい寸法、角度を求めました。
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黒い部分はケガキを鮮明にする為のマジックです。 
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この時メインアーチは、ラチェット式で締まっていくナイロンバンドとタイラップを駆使して、出来るだけ動かない様に固定しています。
納得できる位置に角パイプが収まれば、少し見栄えを良くする為に鉄板を一旦外してちょっと加工しました。 とは言っても角を丸く削っただけですが(笑)
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全ての部品が揃たところで、いつもお世話になっているウエダさんのところに行って、 最終仕上げである溶接をお願いしてきました。
車上で仮溶接してから「そっと」メインアーチを外し本溶接です。
全箇所TIGでやっていただけました。
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本溶接が終わり再度ロードスターに装着すると、歪みはほとんど無く、絶妙なテンションで各部位のボルトが締まっていきます。 
塗装するのが勿体無いです...。

帰宅すると暗くなるまでまだ数時間ありそうだったので、勢いに任せてメインアーチの古い塗装をサンダーで剥がし、 プラサフ吹きまでやってしまいました。
以外に面積が広く、剥がしている最中に後悔する事しきり(笑)
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結構早く乾いたので、嫁の許可をもらって室内乾燥中(笑)
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一晩置いて乾かした後、ナイロンパットで軽く表面研磨して自家塗装開始です。
色はホルツのつや消し黒で、スプレー缶3本分の塗料を使用。
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装着して完成!
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その辺りをフラッと走ってきましたが、ボディーはミシリとも言わず、いい感じで補強が効いてそう。
ハンドリングにどう影響したかは、ジムカーナで確かめる事にします。

思ったより仕上がるまでに時間がかかりましたが、mitsuさんをはじめいろんな方のお力添えで、私の「こうしたいなぁ~」 を実現する事が出来たと感謝しております。

では、長々とお付き合いいただき、ありがとうございました~。

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どーだバーをリベットで取り付ける

どーだバー取付けに関して唯一気になっていた事が。
それはサイドのセットプレートの固定方法が、デフォルトでは溶接になっていること。

何かいい方法がないかいろいろ調べてると、ブラインドリベットでの装着方法が紹介されているページを見つけ、「これならいける!」 とこの方法で取付けることにしました。

さて、そのリベットですが、そこらのホームセンターでは、アルミフランジ・スチールシャフトが一般的なようです。

私は専門的な知識はありませんが、異金属の接合面では各金属の電位差により腐食が発生することを雑誌で読んだことがあり、 この現象がアルミフランジとボディー間で起こるような気が。

まあいいか、接触面にペイントかコーキングすればいいかな?とも思いましたが、 どうも気になって仕方ないのでスチールフランジ・スチールシャフトのリベットを探すことにしました。

思いのほか一般的に流通していないようで、近所のホームセンターをハシゴしましたがどこにもありません。

次の捜索範囲はネットです。半日探してやっと通販しているところを発見しました。

写真の箱がそのリベット。
内容量が1000個となっていますが、これが最少購入単位でしたので仕方なく(涙)。
セットプレートを付けて残数970個...売るほどありますね(笑)
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取り付け
ダッシュボードとフロアカーペットが無い状態だと、どーだバーの取り付けは比較的容易でした。 
まず穴あけ位置を出すためにセットプレートを仮組みします。
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ボディーと密着する場所をマーキング。だいたい左右対称の穴位置でした。
セットプレートをいったん外し、それぞれ15箇所の穴あけをします。(下穴4ミリ)
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再度セットプレートをボディーに付けて、先ほどあけた穴をガイドにしてボディーに穴あけ。
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セットプレートをまた外し、ボディーにシャーシブラックを吹きます。
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シャーシブラックが乾けば準備完了!リベット打ちを開始します。
スチールフランジはえらく硬い!終了するころには握力がありませんでした。
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セットプレート付近を再度シャーシブラック吹き。念のため、コーキングも実施。
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これで準備万端。早速バーの取付けをします。
仮組みすると、運転席側のハードトップフック位置のボルト穴が5ミリほどずれています...。
バー自体押したり引っ張ったりすると結構しなってボルトがはまるようになりますが、運転席側はこのまま全部のボルトを
入れるのは無理っぽいです。電動ドリルに回転砥石をつけてボルト穴を楕円状に加工しました。

ボルトを締めて取付け完了!「うんうんよーできとる!むひひ」と悦に入っていると一点気になることが。
セットプレートと、バーの接合面に若干の隙間があります。ちゃんと付いていれば、面接触して隙間ができるはず無いんやけどなぁ...

あ! リベットと干渉しとる!

リベットの上下間隔がほんの数ミリ狭く、バーがフランジに干渉し浮いているではないかっ!
ここは面接触してこそ強度が出るので、これではイカン!!

バーのセットプレートとの接合面は高さ40ミリあります。プレートの高さは60ミリ。
リベットの入る余地は上下それぞれ10ミリしかありません。
ちなみにリベットフランジの径は8ミリですので、そのあたりを考えて穴あけする必要がありました。
これに気づいたのが取り付け後という、何とも情けないエラー。

リベットフランジの厚みは1.5ミリ弱ですので、その厚みのアルミ板をバーとプレート間に挟んでみることにしました。スペーサーの寸法は、 500×35ミリ(厚み1.5)です。

前記の通りバー自体は結構しなりますので、ボルトを締め付ければスペーサーの厚み分くらいは吸収できます。しっかりと面接触し、 強度もバッチリ。

 

最後にバーが干渉する部分の加工状況です。
ECU左側のステーとカバーをカット。ECUカバーって結構エッジが立っていて、いつも手の皮を削いでしまいますな。
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左のシートベルト巻き取り装置にも干渉したので削りました
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取付け完了。
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どーだバーは左右対称にきっちりと作られていますが、ロドスタのボディーに個体差(経年使用による歪みなど)があって「ボルトオン」 とは行かないかも知れません。
多少の力技と、どーだバーを加工する気合(笑)が必要ですが、時間を掛ければDIYできると思います。

 

取付け後
峠で走ってみると、ちょっと曲がりにくい(アンダーが出やすい)感じがしますが、サスペンションの動きがよりわかりやすくなった感じ。 
私の場合はタイヤがサスに負けてる様子がよーくわかりました(笑) 

高速道路では真っ直ぐ走ります!

ぬおわkm/hで走っても左右にぶれることはありませんでしたので、かなり高速走行は楽になります。

決して安い買い物ではありませんが、ボルト止めのサイドバー付きロールケージよりも圧倒的に軽く、 フロント側も補強されるので効果は大きいですし、装着して損は無いと思うパーツです。

むしろ、コレだけで補強はイイんじゃないかと思ってます。