ROMチューンの準備

目的

ハイコンプやその他細かい箇所に手を入れる事で、 エンジンフィールをもっと良くしたいと以前から思っていました。

しかし効率よくなったエンジンに対し、燃料や点火関係がノーマルだと性能を余すことなく発揮させる事は難しいような気がします。

そこでROMを自由自在にいじる事が出来れば、かなり気持ちイイんじゃないかとずっと思っていましたが、やっと?環境を整える事が出来ました。

いつ実現するかわかりませんが「エンジンチューン」の下準備として、フルノーマルのエンジンでROMチューンをスタートしてみます。

あくまでセッティングの一環として行いますので、ROMで車を早くするのが目的ではありません。結果して速くなればラッキーやなぁという程度。

あとはROMがどんなものなのか単純に知りたい(笑)

 

必要な物を用意

・ROMライター

EP-ROMwriterの存在をおがた氏に教えてもらい、 組み立て及び動作チェック済みの物を購入。

ケーブルとか電源アダプター等、コミコミで8000円程。

28ピンしか挿せませんが、その点をクリアできれば格安でライターを手に入れることができます。

img_20060830T151816953.jpg
img_20060830T151817671.jpg

基板むき出しで送られてきますので、私はアルミケースに仕込みました。

これにアクセスランプが付いたらメーカー製品と見分けが付かない!...わけないか(笑)

性能にはとても満足しています。

詳細はこちらをご覧ください。→EP-ROM Writer Web

 

・ROMイレーサー

こちらも製品を買わず自作。

色んなサイトを見てみると自作した方も多く、結構簡単に出来る事を知りました。

小さい蛍光灯器具に殺菌灯をつけただけのもの。3000円程で出来ます。

適当な箱にROMを入れ、30分ほど照射したらデーターは消えました。とてもお手軽ですし十分ではないでしょうか。

img_20060830T151818375 img_20060830T151819359

 

・ECU(BPF3-881B)

コレもO氏から譲っていただいたもの。

ROMの取り外しが簡単にできるZIFソケット付きで、しかも28ピン対応にするためのジャンパー加工(R672の短絡)済みです。

即ROMの読み出しや、書き込んだものを装着できます。

 

・変換コネクター

881Bはご存知の通り、イグナイターのIGFが廃止されたECUで、Sr. 2に対応させるための変換コネクターには点火信号のエミュレーターが不要となります。

要はピンのつなぎ替えのみで事は済むのです。

しかし、ROMのデータは881と互換性が無くアドレス等も違うので、市場に多く出回っているであろう881用ROMのノウハウが通用せず、 厄介な面もあります。

それと、今回のECU変更は点火エミュレーターに何かしら不具合がある訳ではありません。単純に配線が少なくて済むだけのハナシで、 試してみたかっただけですので(笑)

ECUを変更するに伴い、881B専用のコネクターを作りました。

要領はつかんでいるので、さくっと作ります。のんびりやって延べ6時間ほどかかりましたが。

img_20060830T151820265 img_20060830T151821312

img_20060830T151821796 img_20060830T151822296

 

ROMデータを見る

手元にあるROMの中身をのぞくため、ライターにROMをのせて専用ソフト「ROM writer lite(シェアウェア)で読み出す。

読み出したバイナリファイルをエディター「Stirling(フリーソフト)で表示すると、全データFFと表示され血の気が引く(笑)

全然読み出せていないのか、読み出したデータが壊れているのかとっさにはわからなかった。

静電気には気をつけていましたが、念のためそのROMをECUに挿しエンジンをかけてみる。

問題なくエンジンがかかることを確認できたので一安心。ということはライターに問題が?

各ケーブルや電源の具合など、EP-ROM Writerのマスターとメールでやり取りしつつ、あらゆるところをチェックしたが問題なし。

もうライター内部しか考えられないなというところまで来たとき、ふとライターをつないでいるパラレルポートの設定が気になったので、 BIOSを立ち上げ確認。

...不使用になっているじゃあないか!あーえらい恥ずかしいことしてしもた(笑)

設定を変えてやると、無事データーが読み出せました。EP-ROMwriterのマスターにその旨メールすると、「ちゃんと動いて安心しました」 と返事が。

誠実な対応をしていただき感謝しています。

バイナリファイルを見れただけで感激(笑)しかしまだ訳がわからんです。

幸いな事に、FIREなページより881B用ROMのエディターが手に入ります。

これを使って燃料と点火時期のデータを書き換え別名でセーブし、ノーマルのbinファイルと比較すると簡単にアドレスがわかります。

点火と燃料増量マップにたどり着きデータを見る。しかし行儀良くきれいにそろったデータではありません。

マップのスタートも中途半端なところから始まっていますし、点火と燃料増量マップの横軸も違います。

私たちが各サイトで見るロドスタのマップは、見易いようにわざわざ加工されている事をこの時初めて知りました。

ROMの一部分。ずっとこんな調子で16進のデータが続きます。

img_20060830T151822781

ここまでやってみた感じ、やっぱり自分でそれなりの投資をして環境を作り、ノウハウをちょっとづつ蓄積していく以外に方法は無さそうです。

エディターで点火時期と燃料マップを書き換えるだけでは、本当に体感できるROMを作るのは難しい気がします。

増量マップで高負荷、高回転時の「ものごっつい濃いところ」を多少絞ると、吹けが軽くなった...かも? と私は何となく感じる程度でした。

SUMチェックやフィードバック制御、レブリミッターや各種補正等、把握すべき事は沢山ありますので、あせらずじっくりと取り組む事にします。

あと、空燃比計は本当に必要です。攻めたROMを作るのはそれを手に入れてからになりますね。

サスペンションの寸法

以前、TEINのサスキットを取り付けて、もっと車高を下げたいとか、乗り心地をもっと良くなどといろいろ欲望?のなすがまま、 数え切れないほど組んではバラシ、又組むということを繰り返していました。


そうこうしている内に、自分の求める足回りとはどういうものなのか、金銭的にも時間にも制約がある中で、 自己満足の度合いが高いアシを見つけるのはどうしたらいいのかといろいろ考えてきました。

幸いな?事に、ロドスタの足回りについては数多くのキットや種類のラインナップがあります。
すべて気になるものを試すのは金銭的にも無理がありますし、ショップお勧めのキットなどは「いいですよ」と薦められても「ほんまかいな?どういったところが良いの?」と疑いの心が邪魔をします(笑)

インターネットや雑誌でも色んな情報があって迷いに輪をかけてくれますし。ここはひとつ、 無い頭をしぼって自分がベストと思えるスペックを探ることにします。

ロドスタはアッパーマウントをNA用からNB用に代えると、同じバネでも車高が下がります。 自分の求める車高にするためにはどんな組み合わせがいいかも併せて考えてみます。


ポイントはバネ
さて、よくプリロードと聞きますが、理解するのに時間がかかるものですよね。
あらかじめバネをその自由長からどの程度縮ましてショックにセットしているのかを表しているもののようで、 プリロードの数値は直接車高には関係ないようです。むしろ自由長のほうが関係あるように思います。
所有しているロドスタの車重は一定ですので、1輪あたりにかかる重量がわかればバネレートからどの程度バネが縮むのかがある程度読めます。 

プリロードがいくらかかかっていても1G状態でのバネ長は変化しませんが、バネの皿を上げ下げをしてバネの位置を変化させることで、 1Gでの車高を調整することができます。(プリロード調整式)
各レートのバネをプリロードゼロで組むと、レートが低いほど1G車高は低くなります。
これにアッパーマウント等の形状が絡んでくると1G車高が非常に掴みづらい。

私の場合、各部品の寸法を測り、図面にして視覚的にわかり易いようにしました。

まず所有するサスペンションの寸法です。実寸ですので数ミリの誤差はあると思います。
この図でわかることは、サスが伸び切った時の全長と、アッパーマウントによってその全長がいかほどになるか、 あとNBアッパーにすると上側のスプリングシート位置が21ミリ程変わる事ぐらいでしょうか。
ちなみにNBアッパーの取り付けは、ニーレックスの串団子ブッシュとスリーブナットにて固定しています。ノーマルブッシュではありません。 


ノーマルビルシュタインとTEIN・NA、NBアッパー、 ストロークアップアッパーの組み合わせ
(全て実寸、メジャーで計測。スプリングシートは基準位置)

img_20060403T202325859

img_20060403T202452250
img_20060403T202326500 

img_20060403T202327140 


各組み合わせの1G状態 
次に1G状態の各サスペンションの寸法。

フロント:車重530kg、バネレート6.0kg、自由長200ミリ、レバー比1.4。 リア:車重480kg、バネレート5.5kg、 自由長205ミリ、レバー比1.4で計算しています。
この条件だと、フロントのバネは530÷2×1.4でサスには371kgの荷重がかかり、レートの6.0で割ると、61.8ミリ縮む事になって、 1Gでのバネ高さは約140ミリになります。
リアは1Gでのバネ高さは約145ミリ。

このときのサスペンション全長(アッパーマウントからショック下側ブッシ中心まで)が1G時の車高となります。
NA→NBアッパーで上側のスプリングシート位置の違いにより約20ミリ変化します。ですからNAアッパーにはその分プリロード(約120kg) が事前にかかっているという事です。
NBアッパーでストロークを稼ぐとよく言いますが、NBアッパーの方はバネにプリロードがかからない分バネのストロークは増えるように思います。 これが言いたいのでしょうか?私には良くわかりませんが...。

ロッドの黒く塗った部分がケース内に入った長さです。
一般的に1G時のショックロッド位置は、「伸び6割、縮み4割位がいいよ」と聞きますが、 これを図で見るとNAアッパーではスプリングシート位置を基準より1段下げるとその割合になり具合よさそうです。

またNBアッパーでは基準位置でその寸法になっていますが、この時点で結構車高が低くなっています。 フェンダータイヤ間指1本弱ってところでしょうか。フロントのインナーフェンダーに干渉します。

問題はストロークアップアッパーで、伸び側の寸法が極端に少ないことがわかります。高速のカーブでロールが収まったとたん、 車の動きが不安定になった原因がここにありそうです。
イン側のサスが即伸びきって、スピードに見合ったグリップが出ていなかったのではないかと思います。(あくまで推測ですが)

これを解決するのはバネの自由長を短くすれば良いのでは?
仮にリアの200ミリのバネを170ミリで同じレートのものに変更すれば、ロッドは60ミリケース内に入るのでいい感じ。 しかしサスの全長が247ミリになりますのでストリートでは実用的なサイズでは無いと思います。

このストロークアップアッパーですが、車高を下げたときの底突き解消に!と紹介されていますが、 特にショートストロークのショックに採用するのは良く考えた方が無難です。
ノーマルショック程のストロークがあれば、組合せによってはその性能を十分に発揮すると思います。

自分の好みの1G車高を実現するのに、まずその車高でのサス全長を測り、 採用するバネレートを決めればそこからケース長やロッド長を知ることができます。
あとはそれに見合った製品を探すかワンオフで作ってもらえば、自分の理想とするサスペンションを手に入れる事ができそうです。

 

img_20060403T202327703

img_20060403T202328375